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2017.01.28 déesse

序章は1954年のパリ・サロン。

戦前の1934年から作られ続けているTraction Avant の6気筒モデル 15-SIX のリヤスペンションから金属スプリングを取り払い、ガスとオイルに依るハイドロニューマティックシステムを導入したCITROEN。

デビュー時にはモノコックボディや前輪駆動システムを採用して先端技術の固まりだった同車も、齢20年では他社(車)と比べて旧態化しているのは否めず、「古き革袋に新しき酒を入れて」延命処置を施しました。

・・・などと云う事は無く、翌1955年の同じくパリ・サロンに於いて「新しき革袋に見たことない酒を入れて」きました。

DS と名付けられた車は、殆どの制御をエンジンからのベルトドライブで駆動したハイドローリックポンプで発生させた油圧に頼り、ブレーキもステアリングもサスペンションもギヤシフトも同じオイルで賄います。

発生させた油圧は、一旦高圧窒素ガスが封入されたアキュームレーターに貯めておき各機構の作動時に備え、エンジン停止後も一定期間圧力を保持しました。

圧力が下がるとサスペンションの機能も下がり、庭でうずくまるけれども、再びエンジンをかけるとノソノソと身体を持ち上げて御主人の命令に備える姿は従順なる愛犬のようだったのかも。

現代でも特異な機構を内包するボディも特異なる形をしており、異世界もしくは異星からの乗り物の如く。

そして、前述の油圧制御のサスペンションの絶妙なる味付けにより、この世のものとは思えない素晴らしい乗り心地を提供したそうです。